農業日誌11

今年の5月15日に就農してもう3か月が経った。

心はのんびりしているけど体は忙しいような毎日だったので、少し振り返りしたい。

2022年10月に十年間くらい勤めた会社を退職した。

仕事や組織の価値と私人であることとの間に、今まで境界を別にしていると感じたことはなかった。

退職にあたっての狙いとして、まず締め切りのない暇で自由な時間を味わいたかった。

体感的には小学生の頃の夏休みが人生で一番長く自由な時間だった。

それでも、午前中に仲間と海で泳いで遊んで疲れて帰宅して寝て起きたら夕方になっていた瞬間に悲しくなって泣いたことを思い出す。

子どもながらにいつか終わるという締め切りを感じていたのだろう。

そんな思いをしないだろう、ただただ死ぬまで続く時間の流れを味わいたかった。

暇な時間を味わいながらも思い付いたことはとりあえずやってみようの精神だった。

折しも11月中旬から猟期に入り、無職のステータスで山籠もりをしてみた。

写真を見ながら振り返っているが、どうやら11月17日に前線基地となるテントを設営している。スリーシーズンテント。

山籠もりの話のオチだが、凍死しそうになった。

写真撮影日によると12月11日の夜に山に入ったようだ。

テントで夜を明かして日の出直前に待ち伏せポイントに行こうと考えていたと思う。

その夜の20時過ぎには寝袋に入って休んだけど、寒すぎて全然眠れなかった。

グランドシートの代わりにブルーシートを敷いていたが、地面がどんどん体温を奪っていく。出血しているのかと思うほど。

1時間と横になっていられず、かといって熱源は手の平サイズのハクキンカイロのみ。接地面積を減らすため立って過ごした。

外気温=テント内の温度。

じっとしていられず、腰を曲げてテント内で足踏みしたり何とか熱を生み出せないか考えたりした。確かまだ22時前だった。

それから先は記憶があいまい。

テント内で足踏みしてぶつぶつ独り言のような唸り声をあげていたような気がする。

極度の疲労と体の感覚を失う寒さも感じない寒さにやられていた気がする。

薄っすらした光を閉じていた瞼に感じて、鳥の羽音で意識が完全に戻った。

日の出前だったが夜明けと温度を感じて心の底から助かったと思った。太陽に拝みたかった。

以降、少し装備を整えて臨んだね。もうしないよ。世界まるみえ。

猟期も終わって2023年2月下旬。

狩猟で訪れる耕作放棄地が再生するのを目の当たりにした時の感動。

退職前から続けていた農地法の学習。

そして農地についての定量的な問題に触れてふと興味と関心がつながった。

3月1日から農業インターンを申し込んだ。

フィールドワーク大事。

そんな精神で臨んだ気がする。

流山市のとある専業農家宅に泊まり込みで12日間。

対価は労働力、報酬は衣食住。

お世話になった農家は仙人みたいな風貌で、仙人らしい住処。ヒッピー文化を学んだ。

たった12日間だったが、高校の頃のラグビー部合宿よりきつかった。

でも心はより学びたい欲が湧き出た。

その後、4月から白井市の農家の元で1年間研修を受けるのであった。眠いので続く。